生活困窮者支援 ~仕事の切れ目が屋根の切れ目。ボストンバック1つで全国を転々とする、路上・車上生活者への支援の現場~

そもそも生活困窮者が相談者のメインである八木さんの法人で、収益化はできているのか。
「うちの法人は、住まいを失った人が次にアパートなどに本格的に入居するまでの間を暮らす、サポートシェアハウスも運営しています。そこの家賃で人件費以外の経費は維持できています。正直、収益化はできていませんね」
サポートシェアハウスには3畳の個室が7部屋ある。平均滞在日数は、60.8日。2カ月から、長い人だと4カ月ほど滞在するという。

多様な出自の人の集まるシェアハウスという性格を受け入れている入居者は、八木さんから見て、本当に楽しそうに暮らしているという。
定住場所や人間関係を持たずに生きてきた人たちにとり、久しぶり、もしかすると初めて安心して暮らせる場が八木さんのサポートシェアハウスなのかもしれない。
八木さんは今後、どのようなサポートに力を入れていくつもりなのか伺った。
「今後は出所者の再犯防止の支援、母子支援、LGBT関連、難民などのより専門性を要する相談にも応じ、支援を強めていきたいです。住まいや携帯電話を確保して、最低限の生活保障をすることだけで満点ではないです。それだけではふらっと消えてしまう。公営住宅やアパートなど、自分にとって心地の良い場所、人とのつながりを作ることで、その土地にとどまるような支援をしていきたい。相談されてひとつ支援して終わりではなく、長期的に関わっていきます」
八木さんが行っているような、それぞれの相談支援機関や行政へつながるための「プレ支援」をしている場は少ない。法律・制度の枠内ではこぼれおちてしまう人たちがいる。名前のように、八木さんの法人を人生の「とまり木」として地域での人間関係を築き、定住する生活を送れる人が一人でも増えて欲しい。
村田らむのホームレス取材の集大成
新刊予約受付中!