歌詞に手話を乗せて。目で観て・目で聴いて・心で感じる音の世界を届ける| サインパフォーマー“なみし”

障害者ルポインタビュー

小学校低学年にして手話は、学校のクラブ活動とTVや本などで、独学で覚えたというのだから驚きだ。

 

「とにかく必死で覚えました。手話が使えるようになれば、耳の聞こえない人ともおしゃべりができるようになります。それなら、色々なことを調べて、色んなことを知っていけば、耳の不自由な人だけでなく、ほかにも色々な障害のある人と仲良くなれるのではと考えるようになりました。それで、今度は目が見えない人のことを勉強しました」

 

手話をマスターした彼女は、目が見えない人は点字を使うのだということ、盲導犬についてなどを独学で学ぶ。

サインパフォーマー、なみし

「盲導犬の講演会が大好きで、家族でディズニーランドに行こうと親に言われても、友達に遊びに誘われても『ごめん、盲導犬の講演会があるから』と、盲導犬のイベントを優先するような子どもでした(笑)」

 

手話や盲導犬について、障害や福祉についてなど熱心に勉強したなみしさん。「せっかく勉強したのだから、実際に手話を使って障害のある人としゃべってみたい」日々その思いは募っていく。

 

「私が通っていた小学校の近くには、聴力に障害のある子どもたちが通う聾学校がありました。その聾学校に、手話クラブの先生がアポイントメントを取ってくださって。連れて行ってもらえることになったんです。やっと障害のある子たちとおしゃべりができるんだと思うと本当に嬉しくて。でも、どういったわけかその話が流れてしまって。楽しみにしていただけにショックでした」

 

聾学校は彼女が通う小学校から目と鼻の先。こんなに近くなのにどうして行くことができないのか。何故、先生の許可が必要なのか。やるせない思いが込み上げる。障害のある人たちと仲良くなりたい。願うのはただそれだけのことなのだ。けれど、どんなに強く願ってみても小学生である彼女になす術はない。なみしさんは、このことをきっかけに福祉の道へと進むことを決意する。小学3年生の時である。

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