歌詞に手話を乗せて。目で観て・目で聴いて・心で感じる音の世界を届ける| サインパフォーマー“なみし”

障害者ルポインタビュー

サインパフォーマー,なみし

様々な経験を経て誕生した“サインパフォーマーなみし”

 

なみしさんは、サインパフォーマーとしてソロで活動するほか、ユニットやグループでも活躍している。

 

一度はサインパフォーマーとしての活動に専念したなみしさんではあるが、『やりたいものは全部やる』が彼女の信条。現在は、サインパフォーマーと男性ダンスボーカルユニットのマネージャー、二足の草鞋を履いている。

 

一般的に秘書やマネージメント業務は、ADHDとの相性が悪いと言われることも多い。ADHDの当事者であるなみしさんに、仕事をする上で特に気をつけていることを聞いてみた。

 

「何かアクシデントが起きた時やイレギュラーが発生した場合のパターンを何通りか想定した、自分用のマニュアルのようなものを予め用意しています。

 

特性的に臨機応変に対応することが難しく、想定外のことが起こると思考停止してしまうので、いくつか予測しておくことで、できるだけ業務がスムーズに行えるようにしています」

 

福祉施設を退職後、役者やアーティストとして活動しつつ、いくつかの仕事を経験したなみしさん。 ADHDやAPDの特性的に、長くは続けられなかった仕事も多い。

 

「特性的にどうしても難しい仕事もありました。声を聞きとるのが苦手なので、騒音のある場所での仕事や電話対応のある仕事は特に難しくて」

 

しかし、これまでに経験した仕事の全てが自分にとって必要な経験であったと彼女はいう。

 

「発達障害があると仕事の合う合わないが激しくて。でも、自分には合わないかもしれないと思った仕事でも、やってみたら意外に上手くいったり。やってみないとわからないことも多いんです。転職を繰り返すことにネガティブなイメージを持つ方もいますが、たとえ自分には合わなかった仕事、長く続けられなかった仕事でも、後々経験として活かせることもあります」

 

転職経験が多いと、仕事が続かない人、転職癖があるのでは?とマイナスイメージを持たれてしまうこともある。なみしさんは、どんな仕事に就いている時でも、仕事が合わないと感じても「今後この経験を活かせるかもしれない」と常に考えてきた。

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