歌詞に手話を乗せて。目で観て・目で聴いて・心で感じる音の世界を届ける| サインパフォーマー“なみし”

障害者ルポインタビュー

サインパフォーマー,なみし

マネージャー業を経てサインパフォーマーに転身

 

役者の仕事だけで、生計を立てることは難しく、この頃いくつものバイトを掛け持ちしていたなみしさん。ここでまた、人生の転機となるひとつの出会いが訪れる。

 

今秋公開となる映画「ぬくもりの内側」の挿入歌を担当。TV番組のオープニングやエンディング曲も担当するなど、シンガーソングライターとして活躍する笠井俊佑氏との出会いが、後に彼女の人生を大きく変えることとなる。

2021年秋公開「ぬくもりの内側」挿入歌「永遠の誓い」

 

現在は幅広く活躍するお二人であるが、この頃は役者として、アーティストとしてお互い駆け出し。

 

「当時のバイト先のリーダーが、音楽活動している方で。『アーティストと役者、同じ表現者同士だね』と意気投合して、この方のライブを観にいくことになったんです」

 

そのステージに彼女の心は揺さぶられる。

 

「衝撃でした。ステージを見た瞬間、圧倒されました。『私、この人のことを応援したい』そんな気持ちが、湧き上がってきて。何度かライブに通った後、『サポートをさせてください』とお願いして、マネージャーとして活動するようになりました」

 

なみしさんは役者業の傍ら、マネージャーとしての活動を3年程続ける。

 

「マネージャーとして活動していくうちに、他のアーティストさんとお話しさせていただく機会も増えて。『マネージャーさんは、歌は唄わないんですか?』と聞かれることもあって。それで、ふと思ったんです。自分が人前で歌を唄うことは考えられないけれど、私には手話がある。手話歌でステージに立ちたいと」

 

それを機にライブやイベントなどでサインパフォーマンスを披露するようになった。

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