【やっと見つけたあたたかい家 グループホームでの暮らし】
そんな名波さんは岸和田の社会福祉協議会に相談したところ、生活保護を受給して生活した方がいいと言われる。
そして、周囲の勧めもあって自分一人での生活ではなく、誰かに助けてもらえるという理由から、障害者向けのグループホームへの入居を勧められた。
そこで、白井さんと出会う。
「ここや!」
白井さんが太陽に見えた。
この人なら助けてくれると確信した。
2月から入居して1か月になる。
グループホームでの暮らしに不便はないのだろうか。
「普通にあたたかい家があって、勉強したり、先のことを着々としていける今の生活は最高です。他の入居者とも交流がありますし、不安になっても白井さんに話を聞いてもらえます。もし話を聞いてもらえる人がいたら、自殺未遂もしていなかったかもしれない」
そう名波さんは明るく微笑んだ。
管理者の白井さんに伺うと
「施設により違いますが、うちの施設の門限は22時ですが、その時間に帰れなければLINEしてくれれば大丈夫です。外泊届を出してくれれば外泊も自由です」
自由度は高そうだ。
アルコール依存の方を迎えることもあるので、施設内では飲酒は禁止だが、外で飲んでくる分には構わないという。タバコも施設外なら吸える。自分の家で飼っている犬と入所することも可能だ。