大阪の山中で見つけた怪しげな『手作り寺院』の正体は? 誰がなんのために建てたのか?

そのほか

ガムテームでつなぎ合わせて作ってある部屋、という感じだ。しかし、暖房はしっかりしているし、電気も届いていて、テレビなども設置してある。
テーブルの上には、お正月らしい料理が盛りつけられていた。キムチがあるのが、韓国人の和尚さんのお寺らしい。
このお寺は本当に宗教法人だし、住所登録もしてあり、郵便配達も届くという。
では、ふもとにあった立ち入り禁止の看板はなんだったんだろうか?
この建物を直したのも和尚さんだし、ここに至る道の石碑などを直したりしたのも全部和尚さんのようだ。
なんでダイヤル電話を祀っているのですか? と聞いたのだが、笑っているだけで、答えはなかった。

「昔ハ東京ニ住ンデイマシタ。ソノ時ノ社長サンニ言ワレテ教祖ニナリマシタ」

おそらく税金対策のためだろう。

「ダケドソノ社長サン死ンデシマッタ。私、大阪デコノお寺作リマシタ」

と語られた。
ややブラックな香りのする話だったが、特に悪意はないし、被害者もいないのでとりあえずニコニコ笑ってうなずいた。
和尚さんは、相談があるんだけど聞いてくれますか? と言った。

「ココマデ来ル道ノリヲ、ビデオニ撮ッテ配リタインデスヨネ。トテモ素敵ダッタデショ? 誰カ出来ル人イマセンカ?」

と尋ねられた。
かなりジャパニーズ・ホラーな感じだったが、素敵と言えなくもないか。
和尚さんは色々な人に観光DVDを配って、ここのアピールをしたいそうなのだ。
こんな山奥にある不思議なお寺なのに、すごい一般的な目標を持っていて、逆にびっくりした。

「再び大阪に来ることがあったら、ビデオ撮影など何か手伝わせてください」

と言い残してお寺を後にした。
和尚さんの言われた通り、お寺からもっと先に進む。より道なき道になっていく。

たどり着いた先にあったのは、取り壊された社だった。もともと、どんな建物だったのかはわからない。
壊されてずいぶん時間が経っているらしく、朽ち果てていた。神棚などが打ち捨てられているのが痛々しい。
さらにその先には、比較的新しい社が建てられていた。

 
目的の廃神社自体はたいしたことはなかったが、十分すぎる収穫があったので満足して下山した。

 

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