【書評】「統合失調症日記」 ~100人に1人弱が発症。統合失調症を当事者が描く漫画~

お役立ちコラム

筆者は、昔は統合失調症が完治しないということは知っていたが薬物治療で症状が「出なく」なるものだと思っていた。

 

しかし、きこりさんの場合は、薬を飲んでも完全に幻聴が消えるわけではない。「幻聴が幻の声だ」と自覚はできるようになった彼女だが、それでも本人にとっては実際に音声をともなって主に3人の人物の声が聞こえてくる。その状態で日常を過ごすことは苦しいことだろう。しかも、自分を罵倒する声である。

 

 

統合失調症の治療で大切なのは、投薬治療であり、決められた分量の薬を飲み続けなければならない。完治することは今の医学では難しい。そんな生活の中でも、きこりさんは芸大入学を果たす。大学生活の中で保健室の先生、ソーシャルワーカーなど頼れる人は増えていく。

 

そして、彼女は病気をカミングアウトし、絵画のテーマに「幻覚」を選ぶ。

その作品は受賞することとなった。

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