ホームレスは働かずに暮らしているという勘違い|多摩川土手で稼ぐ人たち

そのほか

「ホームレスはサボって生きている」
と思う人が多いのは、彼らが
“働かずに生活している”
と勘違いしているからだと思う。
多くのホームレスは廃品回収で働いているか、ものすごいローコストな生活を営んでいる。どちらもそんなに楽ではない。

 

仕事の仕方も、それぞれ違う。

 

多摩川の河川敷の橋の下を歩いていると、小屋の前で、作業をしている50代の男性をを見つけた。話しかけてみると気さくに応えてくれた。

床に土盛堤防

「ここに住み始めたのは5年前だね。前はもっと上流に住んでたんだけどよ。小屋を欲しいってヤツがいたから売っちゃったんだよ。40万くらいだったかな?」

 

40万円とは、恐ろしく高い。5万円のアパートに8ヶ月住むことができる。

 

「ただそんなに儲かってはいないんだよ。その小屋は、新しい材料だけで作ったから。材料費だけで20万はかかってたんだよ。40インチのテレビも入れてたしな。
もともととび職だから、そこそこ器用なんだよ。今住んでいる小屋も自分で作ったんだけどね。これはほうぼうから廃材を拾ってきて作ったんだけど、2日くらいで作ったな」

 

彼が現在住んでいる小屋も2日で作ったにしてはすごく立派だった。
ドアを開けて見せてもらったが、高床式になっているし、きちんと玄関もあってとても住みやすそうだった。

 

「奥にはベッドも置いてあるんだけど、今は散らかってるから見せられないな。まあ冬は朝方が寒いけど、夏は快適だよ。電気もあるしな」

 

確かに、小屋の横にはエンジン式の発電機が置いてある。きちんと購入した物だという。

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