家族間の対立!なぜ、我が子の障害を受容できないのか ~その選択は子の幸せ?親の幸せ?~

お役立ちコラム

■放置されてしまう子
知的障害が軽くはない子、小学校の進級先を選ぶとき、親は「取り合えず通常学級に入れていよいよ着いていけなくなったら支援級に移してもらおう」と考え、通常学級に進級させた。でも、「いよいよダメになった時点」で本人は虐められたり、自信をなくしたりして傷ついている。

 

ただし、教室から脱走したり、暴れたりすれば「ここには居たくない」という本人のSOS担任も保護者もキャッチすることが出来るので、そこで支援学級への移動を考えることも出来る。

 

問題なのはおとなしい子だ。椅子にじっと座っているディドリーマータイプ。奇声を出したり立ち歩いたりしないので、教師にとってはある意味扱いやすい子である。通常学級の中にポツンと座っていて義務教育の9年間、放置されてしまうケースもある。

 

具体例を挙げよう。
知的障害が軽くはないのに、小学校、中学校を9年間通常学級で過ごしたA君。義務教育は中学までなので、親の意向が最優先され通常学級にいることは出来たが、高校受験する学力はなかったので特別支援学校高等部に入学してきた。

 

入学してみるとA君以外のクラスメートは皆中学では特別支援学級の出身者であり、A君より障害は軽い子たちで、登校、着替えなどの身辺自立はもちろんのこと、読み書きもある程度できていた。

 

更に「わからないから助けてください」とSOSを出す教育を受けているので、相当なことが出来るようになって高等部に入学してきていた。

 

ところが、通常級に9年間いたA君は特別支援教育を受けていれば、出来るようになっただろうこと、例えば着替え、一人登校なども身についていないまま特別支援学校高等部に入学してきた。

 

■オムツをつけている重度の知的障害児
小学校入学時、排泄の自立が出来ずオムツをつけていたB君。行政からは特別支援学校を薦められたが、親の意向で地元の公立小学校の特別支援学級に入学してきた。

 

ところが、支援学級は知的に軽い発達障害の子で占められていて、授業内容は算数やら国語やらB君にとってはチンプンカンプンのものであった。ただ、この子も動きは激しくなかったので、他の子に迷惑がかかるという状況ではなかった。

 

授業中に大便をしてしまうのでオムツ交換、机の上のプリント類を食べてしまうので吐かせる、このような状況なので支援員が付きっきりの世話をしていた。

 

このクラスには行動に課題があったり、勉強を個別に見てもらったりしなくてはならない発達障害児も多くいたのに、支援員はマンツーマンでB君についてしまっていた。他の保護者から「私達の子どものための支援員でもあるのに」とクレームが出ていた。

 

さて、同じようにトイレの自立が出来ていないC君がいた。C君は特別支援学校に入学した。個別支援計画で「排泄の自立」が明記され、入学した4月にはオムツが取れて自分でトイレに行けるようになった。

 

B君は6年生までオムツはとれなかった。
支援学級ではオムツ交換はしてくれるが、トイレトレーニングまではしてくれなかった。「もし、B君が特別支援学校に入学していたら、小学校卒業時にはオムツはとれていただろう」と支援学級の保護者間では囁かれていた。

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