身体から出た液体は部屋中に広がっていく。赤黒い液体というイメージがあるだろうが、透明の脂も出る。脂は表面だけじゃなく、様々な場所に染み込んでいく。電線コードや断熱材にまで汚染されることは珍しくない。汚物はできるだけ撤去して、部屋全体を消毒しても、だいぶ薄くなってはいたがまだ臭いは消えなかった。その後オゾン消臭機で数日間、消臭を続けて、やっと臭いが消えるという。特殊清掃において、“死臭”が一番の大問題なのだ。
死体が腐乱して、近所の人が気がついて発覚した場合、状況は刻々と悪くなっていく。死体の大部分は警察が回収しているとはいえ、先程述べた死体からの落とし物はどんどん腐敗していく。つまり発見時、すでに周りの住人に迷惑をかけていて、そしてその後もずっと迷惑をかけ続けることになる。
(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});