村田らむがオススメのKindle漫画10 ~コロナ禍はごろ寝で漫画!!~

お役立ちそのほか

第三惑星用心棒』(野村亮馬)

時は西暦2882年。地球はすでに人類の中心地ではなく、無政府・無国境状態になっている。ただ無政府・無国境状態と言っても、マッド・マックス的なヤバい世界ではなく、なんだか誰もがのんきにたそがれを過ごしているような社会だ。
その世界で用心棒として働いているのが、人型ロボットのエルシーだ。笑って、歌って、曲芸をして、飯を食う、めっちゃくちゃコミュ力が高いロボットだ。
かつて紛争で使用され、現在も活動しているロボットを何とか対応して無害にしていくのが彼女の仕事だ。
ハードSFなのに暖かくのんきな世界観というのがとても面白かった。

 

ドロヘドロ』(林田球)

魔法使いと、魔法使いでない人達が殺し合っている世界観。主人公は、魔法で頭を爬虫類に変えられた記憶喪失の男で、記憶と頭部を取り戻すために戦い続ける話だ。
描写はエグく、かなりたくさんの人が死ぬし、グロテスクなシーンも多いのだが、キャラクターたちは飄々としていて読みやすい。
ほぼ全員がヤバいマスクをつけて行動しているのが特徴だ。コロナ禍のマスク問題も最終的にこんな感じに収まったら楽しいかもしれない。とにかく癖になる面白さの漫画だ。
現在連載中の『大ダーク』は舞台が宇宙になってますますグロくエグく楽しい。

 

死人の声をきくがよい』(ひよどり祥子)


主人公岸田純は霊感のある少年だ。ヒロインの早川涼子は美少女なのだが……一話目で虐殺される。
以降、少年の元に幽霊として現れて同行するが、指をさすくらいでほとんどしゃべらないが、事件を解決する糸口を与えてくれる。
幽霊、怪物、殺人鬼と、主人公が散々な目に合う話だ。ギャグ漫画的な回もあるが、それでも結構人が死ぬ。バリバリのホラー漫画だ。冬場に布団を頭までかぶって、ドキドキしながら読みたい漫画だ。

 

狂四郎2030』(徳弘正也)

西暦2030年、第三次世界大戦が終結して5年が経った日本が舞台だ。主人公廻狂四郎は、仮想現実で出会った魅力的な女性小松由利加に会うために旅に出る。その旅路は血で血を洗う凄惨なものになる。
徹底的に管理され、差別され、搾取された、ディストピアが描かれている。
バトルシーンの息を飲むほどの残酷さは、合間合間に挟まれるギャグシーンによってより印象的になっている。
連載が開始されたのは1997年で、2030年なんてまだ随分先の話だなと思っていたが、いつの間にか10年を切ってしまった。怖ろしや。
徳弘正也さんの不朽の名作『シェイプアップ乱』『ジャングルの王者ターちゃん』もKindleで読める。

 

はだしのゲン』(中沢啓治)


はだしのゲン』は学校にも置いてあった場合が多く、読んだことがある人が多いだろう。実は『はだしのゲン』は週刊少年ジャンプで連載された漫画だった。
筆者自身の原爆経験を、ぶつけた内容は胸にガンガンくる。トラウマになったという人も多いが、ぜひ未読の読者はトラウマを作って欲しい。
ただ原爆編で漫画は終わったわけではなかった。その後『市民』『文化評論』『教育評論』とプラットフォームを移して連載は続けられた。後半戦では覚醒剤の恐怖をこれでもかと描いている。ヤクザとのバトルは鮮烈だ。
紙の本の時代はなかなか入手が困難だったが、電子書籍だとすぐに手に入れることができる。いつでも隆太の
「おどりゃクソ女 一歩でもうごくと頭から脳みそが吹き出るぞ」
のセリフを読むことができる幸せプライスレス……である。

続きを読む - 1 2 3

(adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});