村田らむがオススメのKindle漫画10 ~コロナ禍はごろ寝で漫画!!~

お役立ちそのほか

茄子』(黒田硫黄)

「オススメの漫画教えてください」
って言われたら、間違いなく紹介している漫画だ。ちなみに『寄生獣』『柔道部物語』も紹介することが多い。
オムニバス形式の話だが、どの話にもタイトルの茄子が関係している。
一話目は五十がらみでセミリタイアして田舎で茄子を作って生活しているオッサンの家に、若いカップルが突然押しかけてくるところから話がはじまっていく。
特別なことが起きているわけではないのに、ページをめくるたびにグイグイ物語に引き込まれる。ザクザクと荒々しい筆致も、とても気持ちが良い。
ちなみに『茄子 アンダルシアの夏』としてジブリアニメにもなっている。
けど、とりあえず漫画を先に読んでもらいたい。

 

あれよ星屑』(山田参助)


戦後のボロボロの東京を舞台に、一緒に中国で戦った川島と黒田が商売をしたり、喧嘩をしたりしながら生きていく姿を描く。
闇市、パンパンガール、戦災孤児たちの声がとてもリアルに描かれている。
「こんなに調べたんだぞ!!」
というのを誇示した描かれ方ではなく、戦後の世界をごく自然に見てきたように構築しているのがすごい。
戦争の悲惨さは語られるが、決してそれだけではなく、日常の楽しさや晴れ晴れした気持ちも描いている。
僕は、最終巻にはかなり衝撃を受けた。今でもたまにボーッと考えこんでしまう。

 

妖怪ハンター 地の巻』(諸星大二郎)

地の巻、天の巻、水の巻、と全3巻で発売されている。
これは集英社文庫を電子書籍化した作品だ。
『妖怪ハンター』も週刊少年ジャンプに掲載されていた作品1978年にジャンプのコミックスとして発売されている。70年代のジャンプはなかなかすごいラインナップである。
僕は1988年に発売された、『海竜祭の夜 妖怪ハンター』で初めて妖怪ハンターシリーズに触れた。それ以降、文庫も買い、続編である『稗田のモノ語り 魔障ヶ岳 妖怪ハンター』などシリーズ全作品を買っている。
同じ作品を紙の本で何度も買っているのに、最終的に電子書籍でも買う、のはあるあるだ。いわば、何度も買って読みたくなるくらい、魅力的な作品なのだ。

 

学会から異端者扱いされる考古学者、稗田礼二郎が古墳や怪しげな集落を訪れて、超自然的な事件と出会う話だ。
『妖怪ハンター』という名前から、妖怪退治ものの漫画を連想してしまうかもしれないが、実際にはそういうシーンはない。
諸星大二郎さんはオンリーワンの素晴らしい世界を紡ぎ出す作家なので、ぜひ一読してもらいたい。

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