終末期に食べられなくなると死んでしまうという「嘘」|「うらやましい孤独死」の著者に聞く終末期ケア

インタビュー日本語

『気にかけて見ている』というのがケアの本質

「よくケアって介護とか介助とか日本語では訳されますが、ケアの一番本質的な部分って、気にかけて見ている部分なんですよ。英語の熟語でtake care ofってあるでしょう。日本語でいうと、注意するって意味じゃないですか。注意するって、注意して指摘するって意味じゃなくて、注意して見ているって意味なんですよね。

親という漢字も木の上に立って見るって書いてあるじゃないですか。これは金八先生のネタですけど(笑)直接ああしろこうしろと指図するんじゃなくて、木の上に立って遠くから優しく見守って側にいるみたいな感じです」

 

何かあったときには、最終的には出ていくかもしれない。だけど、基本的にはその子の好きなように、手を出さないように見ておく。

 

「『気にかけて見ている』というのがケアの本質なんです。さっき話した、老衰パターンで一番大切なのは、抗生剤の点滴よりも何よりも、気にかけて夜中でもかけつけてくれるような本当に信頼関係があって、気にかけてくれる人の存在なんです。

これがケアなんです」

 

介護施設に行けば、今の施設は、医師もついているし看護師もついている。医療も介護も潤沢に与えられている。でも、あまり幸せそうじゃない高齢者がいっぱいいる。

 

「これはね、本当のケアを受けていない。医療も介護も潤沢に受けているけど、誰とも信頼関係を結べていない。高齢者住宅あるあるですね」

 

医療も介護も潤沢に受けているけど、本気で本人を気にかけてくれる人が一人もいない。みんなが業務として関わっている。森田氏はそういうピラミッド型の組織の一番上にいることを嫌う。だから、チームで取り組む姿勢ができている『いろ葉』の患者さんじゃないと診ない。

 

「そういう介護施設があれば組みたいですね。しかも、看取りまでやってくれるようなところ、ないんだもん」

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