薬物依存症関連団体及び支援者ら、大麻使用罪創設に反対声明| 『ダメ。ゼッタイ。』が支援を遠ざける

インタビューそのほか

発達障害や統合失調症などの生きづらさから、薬物依存症に陥るケースも少なくはないという。「だからこそ、治療や支援が必要だと心底感じています。『回復できるんだ』というメッセージが伝わる社会になってほしい」と訴えた。

 

関西薬物依存症家族の会」は主に関西地方で活動する、当事者家族を支援する団体だ。薬物依存症の誤解や偏見を払拭し、正しい知識や支援に繋げるための発信も行っている。

定期的に開催されるオンラインミーティングは、匿名での参加も可能だ。すべての秘密は厳守され、違法薬物の問題でも通報されることはない。誰にも相談できず、苦しんでいる方、このような支援団体があることを頭の片隅に留めておいてほしい。

大麻使用罪創設反対記者会見

 

「処罰ではなく、依存症当事者の背景にある問題や生きづらさに目を向けた支援が必要。厳罰が予防として効果的であるとは考え難い」

そう訴えるのは、薬物依存症から回復した当事者であり、依存症支援団体ASK(アスク)の社会対策部薬物部門の担当を務める風間暁さんだ。風間さんは日本最年少の保護司でもある。

風間さんの過去はひとことでいえば壮絶だ。幼少期から日常的な虐待を受け、親の起こした犯罪により、加害者家族として社会から排除された。

 

そんな彼女を唯一受け入れてくれたが、非行グループだった。そこで薬物を覚え、辛い現実から逃れるため、毎日をなんとか生き抜くために薬物の使用を続ける。周りの大人たちは、彼女を強く非難し、彼女は却って薬物へとのめり込んだ。

 

適切な医療に係る必要があるが、通報されるかもしれないと考えると病院へ行くことはできなかった。未成年である以上、親が介入してくることを避けることはできない。ふたたび、親に罵声を浴びせられることを考えると足がすくんだ。

 

薬物の過剰摂取で救急搬送されたことにより医療へと、そして福祉へと繋がり、そこで回復を目指す仲間たちと出会う。

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