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  • 製薬会社のマーケティングにより「障害」や「病気」が作り出される?! ~8年で50倍になった抗ADHD薬 ストラテラの売上~

    製薬会社のマーケティングにより「障害」や「病気」が作り出される?! ~8年で50倍になった抗ADHD薬 ストラテラの売上~

    昨今、ネット上を少し検索しただけでも、「発達障害チェックリスト」が簡単に見つかる。メディアでは盛んに発達障害者についての記事やニュースが取り上げられ、自分もそうではないか、子もそうではないかと不安に駆られる方も多いと思う。

     

    そして、「少し周りと変わっている人」「コミュニケーションが苦手な人」に対し「あの人、アスペ(アスペルガー症候群の俗称)だから」「絶対に発達障害だよ」といった会話をよく耳にするのではないか。

     

    「発達障害」という概念自体、非常に範囲が広く、あいまいで分かりにくい。

     

    ここでは厚生労働省のページより、その定義を引用する。

     

    発達障害者支援法において、「発達障害」は「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの(引用:厚生労働省)」

     

    文部科学省が発表しているデータから「発達障害で通級により指導を受けている児童生徒数の推移」を見てみると、平成5年度の調査開始から、激増していることが分かる。

     

     

    少子化で子どもの人数は減っているにも関わらず、発達障害児がこんなに増えていることを、あなたはどう思うだろうか。筆者は不自然さを感じる。まさに「発達障害バブル」ともいえる状況が、今の日本にある。

  • 小学校はどの学校へ行けばいい? ~支援学級、通常学級、特別支援学校。子どもにとって最適な環境って?~

    小学校はどの学校へ行けばいい? ~支援学級、通常学級、特別支援学校。子どもにとって最適な環境って?~

    我が子が年齢と比較すると極端に落ち着きがない、言葉が遅い、発達が遅れている。こうなると通常級、支援級、支援学校のどこに行けばいいのか悩む。子どもにとって最適な教育環境を与えるために、親が意識しなくてはならないことはなんだろうか?

     

     

    ■学校の種類

    進級先は大きく分けて3つある。

    (※表は筆者作成)

     

    親の願いは子どもの幸せ

    親は子どもの幸せな未来のために「どの学校に入れるのがベストか」を考えて悩んだ末、進級先を選ぶ。この親の願いを優先させるため、就学時健診や就学相談で行政側が「特別支援教育を受けさせた方がこの子のためにはいい」と判断しても、親の希望が叶えられる。

     

    その結果

     

    ・「通常級で学んだ方が伸びる」と思われる知的遅れのない発達障害の子が支援級にいる。

     

    ・特別支援学級に在籍して、手厚い指導を受けた方がよい、知的な遅れのある子どもが通常学級にいる。

     

    ・食事、トイレなどの身辺自立が難しい重度の子どもが特別支援学級にいる。

     

    ということも現実起っている。

     

    ■子どもは言えない

    幼稚園、保育園時代に一緒に過ごしたお友達がいると、子どもが「みんなと一緒の学校に行きたい。同じクラスに入りたい」と言うかもしれない。

     

    細かな情報を元に子ども自ら「僕はここの学校が合っているようだから、ここに入学したい」とは言えない。親の「ここに入れたい」という圧力(光線・ビーム)が、子どもの言葉として発せられることもあるだろう。

     

    けれども義務教育が始まる小学校は学力をつけるところ、本格的な勉強が始まる。そこで全く授業についていけなかったり、1コマ45分の授業にじっと座っていることが出来ず、叱られることが多くなったりした場合、子どもは辛い学校生活を送ることになる。

     

    おとなしい子は尚更で、脱走したり他の子に危害を加えたりしないので、ある意味担任からすれば楽な子、その結果、お客様状態で放置され、支援級に行けば身についていたであろうことも学ぶことができず、年齢を重ねるケースもある。

     

     

    また支援級に行けば、新しい仲間も出来る。親にも新しいママ友ができる。今一度、子どもの立場に立って考えるのもよいかもしれない。

     

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  • 特殊清掃の現場は“死臭”との戦い。刻々と悪化する状況の中で戦う、作業員に同行【現地取材】敢行。

    特殊清掃の現場は“死臭”との戦い。刻々と悪化する状況の中で戦う、作業員に同行【現地取材】敢行。

    僕は、ゴミ屋敷や特殊清掃を請け負う業社で2年間働いていた。特殊清掃とは、死体が発見された部屋の清掃のことを指す。僕自身は特殊清掃の経験はないのだが、4件ほど現場に立ち会っている。

     

    特殊清掃の話をするとよく

    「死体は室内に放置されているのですか? どうやって片付けるのですか?」

    と質問される。

     

    特殊清掃業者が現場に入った段階で、その場に死体はない。すでに運び出されている。当たり前の話だが警察がいつまでも適当に死体を放置しておくはずはない。現場検証がなされた後は、すみやかに死体は移される。亡くなってから発見されるまでの時間が短い場合、死体を運び出した後の部屋は普通の部屋と変わらない。冬場は腐敗の進行が遅いため、日数が経っても死体が腐敗しない場合もある。正月にお風呂で薬物を飲んで自殺した青年の死体写真を見たことがある。風呂の水は死後も出しっぱなしになっていた。冬場だから水温はかなり低かったのだろう。死後数日経っていたそうだが、風呂でうとうとと眠っているようにしか見えなかった。

     

    部屋の状態がキレイな場合、管理会社や大家は普通の清掃業者を呼べば良い。もちろん家族が自分で片付ける場合もある。僕も、知り合いの父親が部屋で孤独死した際、清掃を手伝ったことがある。亡くなって数日経っていたが、痕跡も臭いもほとんど残っていなかった。

     

    すなわち特殊清掃業社を呼ぶということは、自分たちでは対処できないと家族や大家が判断したということになる。「死体は警察によって運び出されているなら、問題はないのでは?」と思うかもしれない。確かに、死体の大部分は警察が運び出している。ただ、死体が腐って出た液体や身体から剥がれ落ちたモノは、現場に置き去りにされることが多い。それらは法的に“死体”ではなくなり、専門の廃棄物処分場で処理される。

     

    現場には特に、頭皮は現場に落ちていることが多い。髪の毛は頭蓋骨に乗っかっているだけなので死後しばらくすると腐った頭皮ごとずり落ちるのだ。風呂桶の中で亡くなった場合、死体が水に溶け出しドロドロになることもある。骨などが大量に残されるし、その液体も全て処理しなければならない。見た目も臭いもとても厳しい現場だ。ただ風呂はそもそも水を外に漏らさないよう作られているため、風呂場を超えては汚染が広がりづらいので清掃自体はやりやすいという。

     

    僕が現場を見たとあるケースを紹介する。千葉県のとある住宅街の集合住宅で亡くなった70歳の男性の部屋の清掃に同行した。死後一ヶ月経って、同じアパートの住人が臭いで気づき通報した。アパートのドアはカギがナンバー式で、亡くなった本人しか番号がわからなかった。そのため窓から入るしかなかった。グルリと建物の裏に回る。

    窓は一旦警察によって割られており、そして布粘着テープで目張りされていた。窓の内側には、おびただしい数のハエがとまっていた。少しだけ窓を開け、中に殺虫剤を散布する。下手に開けると、ハエが飛び出して周りに迷惑をかける可能性があるからだ。

     

     

    しばらくたち、ハエがおとなしくなったのを見届けてから、窓から室内に入る。入った途端にズンと脳に直接響くような死臭が鼻をついた。かなりキツイ臭いで、胃がビクンビクンと痙攣してえずきそうになった。作業員は、「1カ月ほどほったらかしだったから、遺体だけじゃなくて買い置きの食材も腐ってるみたいですね。ハエはそこからも湧いてます」とこともなげに言う。

     

    どうやら住人は、玄関に向かうように倒れて亡くなったようだ。風呂場と玄関には吐血した痕があり、病気で苦しくなって外に出ようとしたのかもしれない。廊下の倒れていた場所にはやはり髪の毛がごっそりと落ちていた。作業員は防護服を着込み、厳重なマスクを装備してから清掃の作業に入った。血や体液で汚れた床や壁紙を剥がす。今回のお宅は、床材がクッションフロアだったので簡単に剥がすことができた。フローリングだったり、畳だったりすると、撤去するのも大変だ。

     

    身体から出た液体は部屋中に広がっていく。赤黒い液体というイメージがあるだろうが、透明の脂も出る。脂は表面だけじゃなく、様々な場所に染み込んでいく。電線コードや断熱材にまで汚染されることは珍しくない。汚物はできるだけ撤去して、部屋全体を消毒しても、だいぶ薄くなってはいたがまだ臭いは消えなかった。その後オゾン消臭機で数日間、消臭を続けて、やっと臭いが消えるという。特殊清掃において、“死臭”が一番の大問題なのだ。

    死体が腐乱して、近所の人が気がついて発覚した場合、状況は刻々と悪くなっていく。死体の大部分は警察が回収しているとはいえ、先程述べた死体からの落とし物はどんどん腐敗していく。つまり発見時、すでに周りの住人に迷惑をかけていて、そしてその後もずっと迷惑をかけ続けることになる。

     

    「特殊清掃というのは緊急を要するんですよ。そこがその他の清掃とは全く違うポイントなんです。掃除が遅れれば、周りの住人は非常に困ります」(清掃員) 特殊清掃でも相見積もりをとり、なるべく安い業者を選ぶ大家もある。相見積もりとは複数の業者を呼んで、価格や条件を比較することだ。そうやって検討して時間が経つ間に、近くの部屋の住人がどんどんと退去していくケースは少なくない。誰だって、四六時中死臭が漂っている部屋には住みたくない。

     

    その場合、不動産屋や大家の損失はとても大きくなる。前もって、信頼できる特殊清掃業者を調べておくのが望ましいだろう。

     

    特殊清掃の現場には死体はない。死体はないが、その痕跡はありありと残っている。場合によっては彼らは、生きている時よりずっと激しく自分の存在をアピールするのだ。

     

  • 食物アレルギーで命を落とす危険性 ~知的・発達障害者にも分かりやすい表記を!~

    食物アレルギーで命を落とす危険性 ~知的・発達障害者にも分かりやすい表記を!~

    息子は知的障害を伴う自閉症、食物アレルギーもある。

    自閉症が原因で死ぬことはない。でも、食物アレルギーで命を落とすことはある。

     

    平成24年12月に調布市立富士見台小学校5年の女児が給食で出されたチーズ入りのチヂミを食べて死亡する事故があった。他人事とは思えない。

     

    参考:調布市立学校児童死亡事故 検証結果報告書概要版 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/sports/018/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2013/06/05/1335638_5.pdf

     

    幼い頃は卵、牛乳などありとあらゆるものに反応し、食べるものに苦労した。試食コーナーのおばさんから手渡される食べ物、子ども達の集まりで配られる菓子などに目を見張り、緊張感バリバリで冷や冷やしながら子育てしてきた。

     

    現在、19歳、卵、牛乳は克服したがナッツアレルギーがある。このためアナフィラキシーショックを起こしたときの自己注射(エピペン)を携帯している。

     

    (エピペン注射の練習をしている光景)

     

     

     

    ※アナフィラシキーショック=原因となるものを食べる、触る、吸い込むことによる重篤なアレルギー反応。血圧が低下して意識が混濁し、死亡することもある。

     

    参考:緊急時対応(食物アレルギー)|対応・対策|東京都アレルギー情報http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/allergy/measure/emergency.html

     

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  • 孤児たちにとっての戦中戦後 ~毎日のように餓死者が出ていた。京都・伏見寮をさがして~

    孤児たちにとっての戦中戦後 ~毎日のように餓死者が出ていた。京都・伏見寮をさがして~

    終戦から75年の月日が過ぎた。8月に太平洋戦争を取り上げたテレビ番組をごらんになられた方も、多いことだろう。
    今年は戦後75年をむかえたということで、近年ローマ教皇によって取り上げられ世界中から注目された写真をテーマにしたETV特集「“焼き場に立つ少年”をさがして」など数々の太平洋戦争に関するドキュメンタリーが放送された。
    いまの京都大学で兵器開発にたずさわる青年たちを描いたドラマ『太陽の子』は、残念ながら放送前に亡くなられた三浦春馬さんが出演されたということもあり大きな話題になった。こうした報道が多かった一方で、先の戦争・終戦直後を生き抜かれてきた方の話を聞ける番組は(はっきりとした数字は出せないものの)これまでより少ない印象を筆者は受けた。
    ところで、自分がいま住んでいる町が先の戦争でどんな被害にあったのか、戦後復興で先人がどんな苦労をされたのか、ごぞんじの方はどれだけおられるだろうか。フリーライターの私も、知らなかった伏見寮 こうして文章を書いている私も、自身の地元・京都市伏見区が先の戦争でどのような影響を受けたのか詳しく知っているわけではない。

     

    筆者である私・金子あつしは、視覚に障害があるフリーライターである。これまでに風疹をテーマにしたノンフィクション『風疹をめぐる旅~消される「子ども」・「笑われる」国~』、ダウン症の妹がいる「きょうだい児」の小学生が主人公の児童書『ひかりあれ!~二分の一成人式の前に家族について調べてみた~』を発表している。
    編集者として、明治から平成まで100年をこえる生涯をおくった女性の一代記を編集してもいる。また何か仕事の参考になればと、太平洋戦争をテーマにしたドキュメンタリー作品を見ることも多い。
  • 【レビュー】消えていく家族の顔 ~現役ヘルパーが描く認知症患者の生活~【書評】

    【レビュー】消えていく家族の顔 ~現役ヘルパーが描く認知症患者の生活~【書評】

    今日は

    「消えていく家族の顔 ~現役ヘルパーが描く認知症患者の生活~」 (バンブーコミックス エッセイセレクション) 吉田美紀子著  Kindle版 竹書房をご紹介する。

     

    著者の吉田美紀子さんは「介護職なら食いっぱぐれがない」という理由で、2013年に介護職員初任者研修の資格を取得し、現在、ヘルパーとして7年目だ。介護職と漫画家のダブルワークをしているという珍しい経歴の持ち主。

     

    厚生労働省によると、2017年度の要介護(要支援)認定者数は約641万人いると言われ、40代の私にとり、とても身近な問題だ。

    (厚生労働省 平成29年度 介護保険事業状況報告(年報)のポイントhttps://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/17/dl/h29_point.pdf

     

    この漫画の主人公たちは、支援者であるヘルパーではない。認知症を抱える人々だ。吉田さんは特養老人ホームに勤務しているうちに、介護される側の視点で漫画を描くようになった。

     

    私自身が特養老人ホームでヘルパーとして働いていた経験があるが、忙しい業務の中で、徘徊・せん妄・幻覚や暴力などの「行為」に対応することが目的となり、その心を想像してみる余裕を失っていたと思う。著者の吉田さんは障害者支援もしているが、認知症の老人も障害者も、その「行為」をするのには、何かしらの原因や本人の気持ちがある。日々の生活に追われ、私たちはそのことを忘れてしまいがちだ。

     

    ©吉田美紀子/竹書房

     

    とても暖かいタッチの絵なのだが、自分のことが分からなくなる、自分の周りの人のことを忘れてしまう、不安と恐怖、孤独が伝わってくる。このシーンで怒鳴っているのは、自分の娘なのだが、アルツハイマー型認知症を患っている西村さん(80歳)にとっては、いつも怒っている「怖い人」だ。同時に、尊敬していた親、自分のパートナーが自分のことを忘れてしまう悲しみも伝わってくる。

     

    だけど、西村さんの「もやもやしている頭の中」は常にはっきりしないわけではない。

    「バカになってごめんね」

    と母から謝られる気持ち、そして、もやもやしている西村さんの気持ちの両方が切ない。お互いに大切な相手だからこそ、介護は苦しくなる。そう思う。

     

    認知症というと、高齢者のことを思い浮かべるが、本書には若年性の認知症を患った佐藤さん(58歳)のケースも出てくる。若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症のことをいうが、58歳と言えばまだ働き盛りの年齢だ。58歳で発症した佐藤さんは

    「オレは…まだ働ける…」「会社に…行きたい」

    と妻に訴える。

  • 「人に迷惑をかけないこと」が障害者の自立なのか ~人に頼ることの大切さ~

    「人に迷惑をかけないこと」が障害者の自立なのか ~人に頼ることの大切さ~

    計算機やスマホ決済などの文明の機器を使えばよい。それだと一行で終わってしまう。そんな話ではない。計算機やスマホがなく「1000−787=」の計算問題が出来なくても、買い物をすることが出来る!

     

    そのやり方は…出来る人にやってもらうこと。出来る人とは=レジに立つ店員である。

     

     

    息子が中学の頃、特別支援学級の夏休みの宿題に“34×45”の問題が出された。半数以上の生徒が、小学校の通常学級から進級してきた子ども達であった。従って算数を学んできている前提で、こんな難しい問題も出されていた。息子はというと…小学校2年生までは特別支援学校、3年生からは特別支援学級に在籍していた。だから、チンプンカンプン。宿題を前に苦痛の表情をしているのを見て、「こんな問題やらせても、実生活の中で使うことないのになあ…」と私は感じた。

     

    計算機を使うしかない!

     

     

    担任に思い切って相談した。

     

    「学校の数学は息子には難し過ぎます。筆算よりも日常生活に必要なお金の計算を教えてほしいです」

    すると、担任は「この学校には学力差のある子がいますので、このような問題もやらせていますが難しいかもしれません。立石君には出来ないことがあったら、周りに助けを求める術を付けることの方が大切です」と話し始めた。

     

  • コロナ禍で働く居酒屋が潰れてしまい、河川敷でホームレス生活をはじめた、60代の男性の絶望。

    コロナ禍で働く居酒屋が潰れてしまい、河川敷でホームレス生活をはじめた、60代の男性の絶望。

    5月末に多摩川の河川敷にホームレス取材に出かけた。ちょうど非常事態宣言が明けた明けた直後だった。僕は20年ほどホームレスの取材をしているが、取材をはじめた当時は都内のホームレスと言えばかつては公園や駅舎、高架下などに暮らしていることが多かった。

     

    1990年代末には、上野恩賜公園や新宿中央公園ではまるで村のような状態になっていた。
    この頃は、一旦ホームレスになってしまうと、ホームレスが生活保護を受給することがむつかしかった。ホームレス生活を辞めたいと思っている人が大半だった。その後、生活保護受給のハードルが下がり、多くの野宿生活者たちはアパート暮らしをするようになった。それは悪い話ではないのだが、代わりに公園や駅舎で住むホームレスに対しては厳しい対策をとられるようになった。

    現在、駅舎や公園を根城にしているホームレスは以前に比べるとずっと少ない。駅舎や公園に比べ、河川敷はあまり文句を言われず野宿生活ができる、ホームレスにとっては最後の楽園のような場所になっていた。河川敷は土地があるため、公園などに建てられていた小屋に比べると、はるかに立派な家が建てられる。ガソリンエンジンの発電機を持っていたり、テレビアンテナを立てていたり、大きな畑を作ったりと、生活の水準も高かった。

     

    だがその楽園にも大きな災難が降りかかる。2019年10月に発生した巨大台風にで多摩川は氾濫直前の状態になってしまった。決壊した場所は少なかったが、ホームレスが家を建てていたエリアは完全に水没した。台風一過の翌日に取材にいったのだが、泥が堆積して足を踏み入れることもできなかった。長年取材してきた場所が、完全に崩壊しているのを見るのはつらかった。

     

     

    今回しばらくぶりに訪れたが、テントや小屋の数はあまり増えていなかった。話を聞くと、ホームレス生活をする気力が折れ、福祉アパートに入る人も多いという。それでも河川敷を歩いていると、普通はあまりテントを建てない河川敷の中程に1軒建っているのを見つけた。普通はもっと目立たない場所か、橋の下の雨が当たらない場所に建てる。そこも確かに橋の下なのだが、鉄道橋なので隙間が空いているので雨よけにはならない。そして電車が通る時は、ものすごくうるさい。終電まではおちおち寝てられないだろう。テントもかなり貧弱なもので、いかにも即席で作られたものだった。

    住人はテントの前で空き缶を潰し、ビニール袋に詰め込んでいた。ホームレスの人たちが最も多く営んでいるのが廃品回収業であり、その中でもアルミニウム製の空き缶を集めている人が多い。話しかけると、気さくな感じに「どうしたの?」と返事をしてくれた。

    スラッとした体格の60代の男性だった。スポーツ用のタイトなTシャツにジーンズと、普通に街ですれ違ったら野宿生活をしているとは思わないだろう。小屋の前に停まっている自転車も、きれいだった。

     

    「ホームレスになったの最近だよ。4月からだよ。だからホームレスについては全然分からないよ?」

    と話す。なぜ、ホームレスになってしまったのかを聞くと、

    「コロナ!! コロナのせいだよ!!」

    と大きな声で即答した。

     

    「ここから近くの居酒屋で働いていたんだよ。普通の店員。3月にコロナが流行って、お客さん全然来なくなっちゃったんだよ。商売あがったりで、店長が店を閉めちゃったんだ。店が閉まったらもうやっていけないよね」

    彼は、特になんの保証も受けないまま、仕事を失ってしまった。

    「すぐに次の仕事が欲しかったけど、コロナ禍でそもそも仕事が全然ない。ただでさえ60歳を超えてる俺に仕事なんてほとんどないしね。しょうがないから貯金を崩しながら生活したよ。でもほとんど貯金してなかったからなあ……」

     

    日本人の60代の貯金の中央値は約1000万円だという。「老後の生活には公的年金に加えて2000万円以上必要」という説もある。だが彼の場合は、公的年金には入っておらず、かつ貯金は数万円しかなかった。貯金は一ヶ月で底をついた。「すぐに家賃が払えなくなって、家を出ることになっちゃった。前から河川敷でテント暮らししてる人を見てて、最悪ここに来ればいいかと思ってた。それで大事な物だけを持って河川敷に来た」

     

     

    普通の人は「仕事がなくなったら、河川敷に住んで空き缶を集めて生活しよう」とは考えない。彼は、自分はギリギリの場所にいることを意識していたのだろう。そういうギリギリの場所で生きている人は、決して少なくない。「早くこんな生活辞めたいし、辞めるつもりだよ。でも仕事は決まらないしどうしたもんだか分からないね」と肩を落とした。

    話を聞かせてもらったお礼に、サージカルマスクを手渡した。「ああ!! マスク欲しかったんだよ。どこに行っても手に入らなくて。売ってても高いしね。マスクつけてないと白い目で見られて、怒られたりするからね。すごい助かるよ、ありがとう!! ありがとう!!」と過剰なほどお礼を言われてしまった。なにか申し訳ない気持ちになった。

     

    一ヶ月ほど後に様子を見に行ったのだが、テントはすでになくなっていた。その代わり、『警告 この場所は、京浜急行電鉄(株)の管理地です。この場所を占拠している方は二0二0年五月二十九日までに移動してください』と書かれた看板が立っていた。日付を見ると話を聞いた直後に立てられたようだ。男性がアパート生活に戻れていたら良いのだが、と思う。

     

    コロナ禍はまだまだ続く。お店や会社が潰れてしまい、家を失う人もいるかもしれない。そうなっても、絶望せず、なんとか生き延びてほしい。

     

     

  • のび太、ジャイアン症候群とは ~辛さを発信できないおとなしいタイプの子ほど注意が必要~

    のび太、ジャイアン症候群とは ~辛さを発信できないおとなしいタイプの子ほど注意が必要~

    ドラえもんの漫画に出てくるガキ大将のジャイアンと、弱気でおとなしいのび太。キャラクターの名前から発達障害の一つである注意欠如/多動性障害の子どもで、一見おとなしいタイプの子を“のび太型”と呼んだ先生がいる。

     

    手がかからないので見過ごされてしまうかもしれない。

     

    じっとしていられない、衝動的に感情を爆発させる、走り回る、片付けができない…。

     

    こうなると「もしかして、うちの子怪しいかも?「え、うちの子にどれもこれもぴったり当てはまってしまう…」と感じてしまう人も多いと思う。どうしてかと言うと、幼児って食事中に立ち歩いたり、スーパーで走り回ったり少なからず落ち着きがないからだ。

     

    けれども、AD/HDは5歳なのに2歳児のような行動をするなど極端に激しく、それがどの環境でも起こり、半年以上続いている場合と定義されている。小学生になると45分の授業にじっと座って集中できないため学力が低下してしまうこともある。

     

    その中に一見、おとなしく見える注意欠如/多動性障害(AD/HD)の子も存在する。

     

    発達障害の中の“注意欠如/多動性障害”。
    英語の“AttentionDeficit/HyperactivityDisorder”から略され、“AD/HD”と略される。あいだに“/(スラッシュ)”が入るように、注意力散漫であることが目立つタイプと、落ち着きのない多動性、衝動性が目立つタイプもある。また両方持っている子もいる。

     

    そこでAD/HDはその表れ方により次の3種類に分類される。

    (1)不注意が目立つタイプ
    (2)多動・衝動性が目立つタイプ
    (3)両方持っている混合型

  • 中絶のターゲットをダウン症児だけにするのはどうなのか?  ~「検査を受ける必要はないよ」と昔の私に伝えたい~

    中絶のターゲットをダウン症児だけにするのはどうなのか?  ~「検査を受ける必要はないよ」と昔の私に伝えたい~

    新型出生前診断を受け羊水検査に進み「おなかにいる赤ちゃんはダウン症です」と確定したら、96%以上の妊婦が中絶している現実がある。

    【参照】
    https://mainichi.jp/articles/20160425/k00/00m/040/119000c

    こちらを読んでほしい。

    www.huffingtonpost.jp/2014/04/02/trisomy_n_5074329.html

    出生前診断でわかるのは21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー、13トリソミー。そのほかの先天性疾患はわからない。

     

    こちらも長い記事だが読んでほしい

    【遺伝子検査までしないと分からないかった難病の子を殺そうとした母】

    〈難病1歳殺害未遂 容疑の41歳母逮捕〉
    www.dailyshincho.jp/article/2020/01111100/?all=1&fbclid=IwAR2q0UcA1rb3raHO2BTh4vcg3CmauuLupzIAJSeomETNoLtLEvXBZArsKfI

     

    ■地獄
    【知的に重い子】
    最重度の知的障害を伴う自閉症で強度行動障害の人がいる。(重度の自閉症に起こることがある)

    (厚労省 参照サイト)
    www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000069196.pdf

     

    知人の話だが、家は破壊され、暴力を奮われるため母親は剣道の防具を付けて生活している。購入先から購入理由を知らずに「新しい強力な商品紹介」と案内がくるそうだ。笑うに笑えない話だ。

     

    【知的遅れがない発達障害】
    知的遅れのない発達障害の二次障害に陥っている子ども。家庭内暴力に怯えた家族が殺されかけ、警察に「息子を逮捕してほしい」と連絡していた。警察から「事件が起こらないと逮捕できない」と断られた。どちらも出生前診断ではわからない。だから、「ダウン症など染色体異常にスポットを当てた命の選択はどうなのだろう?」と思う。

     

  • 『相模原事件・裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』書評 ~なぜ、「障害者」「子連れ」「生活保護」などへの弱者バッシングが起きるのか~

    『相模原事件・裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』書評 ~なぜ、「障害者」「子連れ」「生活保護」などへの弱者バッシングが起きるのか~

    今回は、『相模原事件・裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』 Kindle版 雨宮処凛  (著)をご紹介する。


    相模原障害者施設殺傷事件は、2016年(平成28年)7月26日未明に神奈川県相模原市にあった神奈川県立の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」にて発生した大量殺人事件。元施設職員の男 植松聖(事件当時26歳)が施設に侵入して所持していた刃物で入所者19人を刺殺し、入所者・職員計26人に重軽傷を負わせた。殺人などの罪で逮捕・起訴された加害者 植松聖は2020年(令和2年)3月に横浜地方裁判所における裁判員裁判で死刑判決を言い渡され、自ら控訴を取り下げたことで死刑が確定した。

     

    現在、植松聖は死刑が確定しているため、本書では被告と表記しているが、本文では死刑囚と表記する。

     

    非常に読みやすい文章で、今まで「自分とはかけ離れた怪物」のように見えていた植松死刑囚が、自分と同じ「人間」であるという感覚を持てた良書だった。

     

    植松死刑囚は裁判で一貫して「重複障害者を生かしておくために、莫大な税金が使われている」等、「日本の借金問題」をさかんに言及する。それは、本当なのだろうか。その疑問も本書を通じて明らかになる。

     

    事件から3年6か月後の2020年1月8日、横浜地裁で異例づくしの裁判員裁判が始まる。殺害された犠牲者、負傷した被害者のほとんどが匿名、傍聴席の右半分が白い衝立で覆われているのも異例。

     

    裁判中盤の2月5日、横浜港に停泊していたダイヤモンド・プリンセス号にて、新型コロナウィルスの集団感染が発生した。そして、日本のコロナ禍が幕開けする。未曾有のコロナ禍の中、海外でも日本においても、障害者に対する「命の選別」が顕在化した。限られた医療資源である人工呼吸器の優先度をめぐり、知的障害者や高齢者の人の優先度を下げる動きが医療の現場でも起こった。

     

    人々の生活が地盤沈下していくと、生活保護を受けている人がバッシング対象となった。そして、この数年広がっているのは「障害者ヘイト」だ。障害者だけでなく、公的な支援対象となる者に「特権だ」と言いがかりをつける人がいる。障害者が「守られて」いるように見えるのは、おそらく障害も病名もない人たちが「死ぬまで自己責任で競争し続けてください。負けた場合は野垂れ死にってことで」という無理ゲー(難しすぎてクリアするのが無理なゲーム)をこの20年以上、強いられているからだろう。本当は苦しいけど、弱音を吐いた瞬間に落伍者とみなされてしまう。

    だから、「弱者」が「守られている」のが許せないー。おそらくそんな気分の同一線上に、ベビーカーで電車に乗る人を執拗に非難する「子連れヘイト」があり、駅などで女性だけを狙ってぶつかってくる「わざとぶつかる男」がいる。

     

    第二の植松死刑囚は私たちの中にもいる。決して、頭のおかしな男が犯した犯罪ではないからこそ、この事件は大きな議論を呼んだのだろうと思う。この20年近く続く、日本の空気の中で、起こった惨劇。ネットでは植松死刑囚への共感の声まで寄せられた。

     

    本人が意図するしないに関わらず、この事件は、どこまでも社会を映す鏡のようである。

     

    現代を生きる私たちは、働き、利益を生み出すことに価値を置き、それ以外の人間は「不必要」であると切り捨ててはいないだろうか。

     

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    あいである広場編集長 田口ゆうよりお知らせです。

     

    「今までなかったの?!」と驚かれましたが、実はあいである広場には、サイト公式のTwitterアカウントがなく編集長の私個人のアカウントとライターさんのアカウントで発信してきました。

     

    そこでエゴサーチを初めてしてみたら(遅いですね)公式アカウントがない!と書いてくださっている方が数人いらっしゃったので、この度、遅ればせながら作りました。

     

    今日は過去の人気記事をシェアしていくので是非、皆さん、フォローしてください。

     

    これからもあいである広場をよろしくお願いします。